
最近、高齢者による車の事故のニュースを目にすることが多くなってきたね。

メガネルコちゃんは、老眼は車の運転に影響すると思うかい?

老眼って近くが見えにくくなることだよね。
遠くは見えるわけだし、運転とはあんまり関係ないんじゃないかなぁ。
動体視力が衰えていることや、認識が遅れたりすることは影響しそうだけど・・・。

確かに車の運転では、近くよりも遠くや周囲を見渡すことが多い。
じゃが、「老眼は車の運転には影響しないだろう」と甘く見ていると思わぬ事故を起こしてしまうこともあるんじゃ。
65歳以上のドライバーが関与する交通事故は増えている
警視庁が調査した「高齢運転者が関与した交通事故発生状況(平成27年中)」によると、65歳以上の高齢運転者が関与する交通事故の割合は年々高くなっており、平成27年には全体の21.5%となっています。
これは10年前の約1.9倍です。
高齢運転者が関与した交通事故の人的原因の多くは、「発見の遅れ」がもっとも多くなっています。

発見が遅れる理由には、動体視力の低下や視野のせばまり、明暗順応による見落としなどが考えられる。
これらは老化や老眼により引き起こされるものなんじゃ。
老眼が及ぼす車の運転への影響
老眼が及ぼす車の運転への影響は、主に下記があげられます。
カーナビやエアコンなどが見えにくくなる
老眼になると近くのものにピントが合いづらくなるため、カーナビの細かい文字や記号は見えにくくなります。
エアコンもダイヤル式でないデジタルなものになると、操作がしにくくなるでしょう。
眼精疲労
老眼になると近くを見る時の目の負担が大きくなり、眼精疲労につながります。
特に夕方や夜間には注意が必要です。
そもそも夕方や夜間はピントが合いにくい時間帯でもあるため、目のかすみや対象物がダブって見えるなどの症状が起きやすくなります。
明暗順応の低下
明るい所から暗い所に入った時、または暗い所から明るい所に入った時に目が見えるように調整する機能を明暗順応といいます。
老眼になるとこの調整機能も低下するため、急に明るい所や暗い所へ出る時は必要です。
運転中はトンネルに入る時や出る時、明るい幹線道路から暗い生活道路へ入った時などに影響します。
トンネル出入口での追突事故や、急に暗い道に入ったときの歩行者や自転車を見落としての事故など注意が必要です。
深視力の低下
深視力とはモノを立体的に見るチカラのことで、運転中は距離感をつかむために大切な視力です。
老眼になると深視力の低下により、前方者・対向車との距離感、バックミラーごしで見る後方車との距離感がつかみにくくなります。

老眼によるものではないが、老化による動体視力の衰えも運転に影響するんじゃ。
特に右折時には、対向車のスピード感が認識しにくくなるため注意が必要じゃ。
老眼鏡をかけたままの運転した方がいいの?

老眼が運転に影響するってことは、老眼のサポートをしてくれる老眼鏡をかけて運転した方がいいのかな?

いや、老眼鏡はあくまで近くを見るときにサポートしてくれるメガネじゃ。
遠くを見ようとすると逆に目の負担になるから、遠くも見渡す必要がある運転には適さないんじゃよ。
じゃが、老眼鏡はカーナビなどを操作するときにはあった方が良いじゃろう。
運転中はかけず、停車時にカーナビなどを使う時だけかけるというような使い分けが必要じゃ。

じゃぁ、遠近両用メガネは?

遠近両用メガネは便利じゃが、運転にはどうかのぉ。
というのも、遠近両用レンズは上部分は遠距離用、下部分は近距離用というようにレンズの見る部分によって見え方が変わってくるレンズなんじゃ。
普段の生活では、遠くを見る時は上の方を見て、近くを見る時は下の方を見るということが多いから、とても便利に使えるわけじゃ。
じゃが、車の運転だとシートを倒している時もあるじゃろう?
そうするとうまく見え方が合わなかったりする。
シートをまっすぐにして運転するなら、遠近両用メガネはいいかもしれんがのぉ。
安全に車の運転をするための対策

安全に車の運転するためには、どんなところに気をつけていけばいいのかな?

まずは、「老眼は運転に影響する」という意識をもつことじゃ。
そして、老眼をなるべく進行させない生活習慣を心がけること。
詳しく説明していこう。
老眼は運転に影響するという意識をもつ
老眼になってしまった時は、まず「老眼は運転にも影響する」という意識を持つことが大切です。
意識を持つだけでも、運転に対する安全意識が高まり、交通事故を起こすリスクを減らすことができます。
そして、近くのものが見えにくくなるというような老眼症状以外にも、視覚機能に影響がないかをチェックしてみましょう。
例えば、下記のような症状がある場合は注意してください。
- 物にぶつかったり、よく転ぶようになった
- スポーツ観戦をすると目がすごく疲れる
- 暗いところで物が見えにくくなった
- 急に明るくなるとピントが合わない
- 視野が狭くなった
老眼以外にも動体視力が低下していたり、白内障などの病気になっている可能性もあります。
強い症状がある場合は、眼科医に相談しましょう。
また、自分の症状をから、危険だと思われる行動をしないようにすることも大切です。
「いつも通っている道だから大丈夫だろう」といった認識から、安全確認を怠ったために起こる事故は多いです。
いつも通る道でも、注意行動をはぶかず、「暗いところが見えにくい」などの症状があれならなるべく夜間の運転は控える、スピードは一段階落とすなど対策をとりましょう。
また、当然ではありますが、運転中は機器の操作は控えましょう。
老眼をなるべく遅らせる生活習慣を心がける
老眼は老化によりおこるため、いつかは誰しもやってくる問題です。
しかし、生活習慣を改善することで老眼の進行を遅らせることはできます。
近くを見る時は老眼鏡を使う、栄養バランスの良い食生活を心がける、紫外線を防ぐサングラスをつける、睡眠をしっかりとる、など老眼を遅らせるためにできることはたくさんあります。
詳しくは下記の記事で紹介していますので参考にしてみてください。
運転免許の更新時の影響は?

ちなみに運転免許の更新に視力検査があるよね。
これにも老眼は影響するのかな?

運転免許の更新時にする視力検査は、遠くのものを見る時の視力を測定するものじゃ。
基本的に近くがみえにくくなる老眼は影響しないから、心配する必要はないじゃろう。
もちろん老眼鏡をつけて検査する必要もない。
しかし、書類などには目を通すことがあるじゃろうから、持っては行ったほうがいいかもしれんのぉ。
遠近両用メガネの場合は、つけたまま視力検査で問題ないじゃろう。
ただし、70歳以上になると夜間視力や動体視力検査もするんじゃ。
老眼というよりは老化による影響で衰える視力じゃが、結果によっては更新に影響が出る場合もあるじゃろう。
まとめ
- カーナビが見えにくくなる以外にも、眼精疲労による目のかすみや明暗順応の低下、深視力の低下、など老眼が運転に及ぼす影響はあなどれない
- 老眼鏡は運転中は適さないが、停車時の手元を見る時には必要
- まずは老眼は運転に影響するという意識をもって、今一度安全のための意識を高めることが大切
- 生活習慣の改善など、身近なところから老眼の進行を遅らせることはできる
- 運転免許の更新には老眼は影響しない

老眼は車の運転にも様々な影響を及ぼすんだね。

老眼を自覚する頃は、動体視力などの視覚機能も衰えてくることじゃから、車の運転には十分注意して欲しいのぉ。

自分の車の運転は安全かどうか?見直すいい機会にもなりそうだね。

目の老化にも個人差があるから、なるべく老眼を遅らせたり目の健康を維持できる生活習慣も心がけたいところじゃ。