メガネルコちゃんは、確か左は視力0.02、右は視力0.1の近視だったのぉ。
なかなかの目の悪さじゃが、なんでそこまで近視がひどくなったのか、原因に思い当たることはないかい?
う〜ん、お母さんには「テレビの見すぎよ!」って言われたことがあるなぁ。
あとはゲームのやりすぎかな?
うむ。それは近視になる原因に十分なりえるのぉ。
実は近視には大きくわけると2つの原因があると言われておるんじゃ。
今回はメガネルコちゃんの近視がこれ以上すすまないように、近視の原因について詳しく話してあげよう。
うん。教えて博士~!
まず知っておきたい近視のメカニズム
ご存知の通り近視とは、近くのものは見えるが遠くが見えにくい状態のことを言います。
でも、「目でどんなことになって近視の状態になるか?」ということは。知らない人の方が多いのではないでしょうか。
まず、モノが見える仕組みを簡単に説明すると、目から入ってきた光によって対象物がどんなものなのかを脳で認識します。
目に入った光は、目の表面の角膜を通過して水晶体を通り、屈折をして網膜の黄斑というところに像が写し出され、視神経を通って脳に伝達されるのです。
この時、目は毛様体という筋肉を伸び縮みさせて水晶体の厚さを変え、屈折率を調整しています。
近視は、この毛様体が凝り固まってしまい、ピントを遠くに合わせられなくなっておこる屈折異常です。
網膜より手前で像が結ばれてしまうため、ぼやけて認識されてしまいます。
この状態を仮性近視と言い、さらに進行すると、多くの場合眼球自体がのびてピントが合わなくなる軸性近視になると言われています。
眼科で「ミドリン」という目薬を処方されることがあるが、あれは薬で無理やり目の筋肉の緊張をとることで、目のピントが合わせられる状態にしている、というわけなんじゃ。
この目薬を長期間使っても近視が改善されない場合は、軸性近視(治らない近視)ということになる。
軸性近視となった場合は、残念ながらレーシックなどの手術でしか治すことはできないんじゃ。
あなたの原因はどっち?近視の2大原因とは
ではどうして近視になってしまうのでしょうか?
実は、近視になる原因は現代の医療でもはっきりとはわかっていません。
しかし、その原因は大きくわけて下記の2つの可能性が高いと言われています。
それは遺伝要因と環境要因です。
それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。
遺伝的な原因
子どものころの近視の原因は、遺伝の影響が強いと考えられています。
つまり、親が近視である場合、その子どもが近視になる可能性は高いと言えます。
特に、10歳くらい前までになる強度の近視(軸性近視)の場合、遺伝の可能性が高いと言われています。
環境的な原因
昔は近視の原因は全て遺伝と考えられていました。
しかしさまざまな研究により、ある程度成長してからの近視は環境が多く影響しているということがわかってきました。
今世紀におこなわれた近視の調査では、都市部で、学歴やIQが高く、長時間の勉強など近くを見ることが多く、あまり外で過ごさない子どもほど、近視の傾向が強かったそうです。
都市部で近視の傾向が高かったのは、パソコンや携帯ゲーム、スマートフォンなどの機器の普及率が高いことが原因と考えられます。
今はパソコンやスマホなどは誰でも持っておるし、DSなどのゲーム機を子どもが持っていることも多い。
そんな中で親が近視であれば、子どもが近視になるのは避けては通れない道なのかもしれんのぉ。
でもゲームをしている人でも、目が悪くない人もたまにいるよね?
それはなんでなんだろう?
おそらく、日頃から目が疲れすぎないように、同じところを見続けない癖がついているんじゃないじゃろうか。
もしくは、遠近感が必要となる球技のようなスポーツや軽い運動を日頃からしているからかもしれん。
といっても近視についてはまだわかっていないことも多い、というのが現在のところなんじゃ。
日本の近視率は約6割!?年々増える近視
実は、日本人の近視人口は世界でも有数で、日本国内のメガネ・コンタクトレンズ使用者は約6割にものぼるといわれています。
つまり、日本では近視でない人のほうが少ないという異常事態なのです。
また外国でも、日本同様近視の割合が増えている国はあります。
それはシンガポール、イスラエルなどの発展が著しい国や、アメリカやヨーロッパの先進国です。
発展途上の地域では近視の割合が低い、というデータもあり、多かれ少なかれ発展が目に悪い環境を整えてしまっているということがわかります。
近視の割合が増えたということは、それだけ便利な世の中になったということなのかもしれないね~。
でも、やっぱり目が悪くなるのは嫌だなぁ。
近視の進行をできるだけ防ぐには?
近視は進行すると治すのが困難になります。
しかし、近視になったばかり(仮性近視)の場合、視力を戻すことは不可能ではありません。
なるべく近視の進行を防ぎ視力の回復をはかって、視力低下のスパイラルから抜け出しましょう。
近視の原因が環境にある場合は、まず目に優しい環境に変えていくことから始めましょう。
- パソコンやスマートフォン、テレビ、ゲームをする時間を減らす
- 画面や本からは十分な距離をとって見るようにする
- 近くのものを見続ける時は、1時間に1回はこまめに休憩をはさむ
- 薄暗いところで本を読んだり作業をしない
- 正しい姿勢で生活する
- できるだけ遠くを見る
- ブルーライト対策をする
- 1日に2時間程度、外で過ごす時間をつくる
仮性近視を回復するには?
仮性近視で下がった視力を取り戻すには、環境改善にくわえ下記のポイントもおさえていきましょう。
- 十分な睡眠をとる
- 目を良くする成分(アントシアニンなど)とその他の栄養素をバランス良く摂取する
- 目のトレーニングやツボ押しをおこなう
まずは眼科で視力検査をして、現在の視力を把握しよう。
必要に応じて点眼薬での治療や、メガネなどの視力矯正をおこなうべきじゃろう。
しかし、メガネのかけっぱなしは近視をすすめてしまう恐れもある。
近視の場合は、遠くを見る時など必要な時だけかけるのがポイントじゃ。
まとめ
- 仮性近視は目の中の毛様体が凝り固まることによる屈折異常
- 近視には、遺伝と環境の2つの大きな原因がある
- 環境的原因には、パソコンやスマートフォン、携帯ゲーム機などの普及が関係している
- 仮性近視であれば、生活習慣の見直しや目のトレーニングで進行をおさえたり、回復する可能性もある
近視は遺伝で避けられないこともあるが、できるだけなりにくい環境にはしたいところじゃ。
特に子どものうちは近視が進行しやすいとも言われているから、なるべく気を配ってあげたいのぉ。